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総務省5月家計調査 学習机・椅子前年比2.5倍増 テレワーク、休校で需要拡大

 総務省がこのほどまとめた5月の家計調査によると、1世帯当たりの実質消費支出は現在の統計方式となった2001年以降のワースト記録を更新する一方、家具・家事用品が前年同月比2・9%増と3カ月ぶりに増加に転じたことが分かった。中でも「書斎・学習用机・椅子」が86円で前年同月比145・7%増という驚異的な伸びを示した。長期にわたる「巣ごもり」で、家庭内の暮らしを改めて見直す動きが広がり、年初から低迷していた学習机への支出や、テレワーク需要が4月を上回って一気に高まったとみられる。(2・3面に学習・在宅ワーク家具特集)

 同調査によると実質消費支出は、25万2017円で、前年同月比16・2%減(一人暮らし世帯を除く)。4月の減少幅11・1%をさらに上回る結果となった。
 新型コロナウイルスの感染拡大により4月に発令された緊急事態宣言は5月25日に解除されたが、5月の消費支出は宣言の影響を大きく受けた。被服・履物は前年同月比38・3%減、教養娯楽37・9%減、住居26・0%減など主要品目が軒並み減少する中、唯一家具だけが増加した。
 家計調査品目のうち「一般家具」に分類される製品の5月の実質消費支出は1世帯当たり559円(前年同月比25・6%増)に増加した。その中で特に伸びが大きかったのはテーブルとソファで平均消費額265円(同44・0%増)と大幅に増加した。次いで「他の家具」(ユニット家具、鏡台、ベビーサークル、家具部品など)は188円(同27・0%増)、たんすは40円(同17・6%増)。食器戸棚は66円(同16・5%減)と唯一減少した。一般家具以外では、ベッドが185円(同0・5%増)で前年とほぼ同水準だった。
 一方、総務省が家計調査とは異なる基準で高額商品を中心に消費実態を調査している家計消費状況調査によると、5月にインターネットを利用して購入した家具の1世帯当たりの平均支出額は579円で、4月の425円を36・2%上回る結果となった。
 このほか食料は前年同月比88・5%増、衣類・履物38・3%増、保健・医療34・1%増などが大きく増加した。
 同調査の対象となった製品をネットで注文したのは8941世帯で、前年同月を12・8%上回った。
 新型コロナウイルスの影響で、当月はECサイトからの購入者が増加し、商品によっては金額も大きく伸びていることが裏付けられた。
 高額家具の製品別消費状況では、布団が1世帯当たり297円(前年同月比14・7%増)、机・椅子が201円(同10・4%増)と好調で、ベッドも270円(同4・7%増)に増えたのに対し、たんすは100円(同22・5%減)、食器戸棚79円(同23・3%減)、食卓セット78円(同30・4%減)、応接セット172円(同40・9%減)など前年を大きく割り込む家具もあった。
 同調査は全国約3万世帯を対象に毎月、購入頻度が少ない高額商品・サービスの消費やICT(情報通信技術)に関連した消費の実態を調べている。

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