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★創立80周年迎えた天童木工 「ジャパニーズモダン」テーマに新作や書籍発刊を準備

天童木工の前身、天童木工家具建具工業組合の創業期の写真
歴史の椅子のイメージ写真

 天童木工(山形県天童市)は6月12日に創立80周年を迎え、記念事業「天童木工80周年プロジェクト」に取り組むことを明らかにした。「ジャパニーズモダン/80プロクジェクト」と題した記念事業では、天童木工の文化・技術アーカイブを活用した書籍の編纂や、3人のデザイナーによる新作家具の開発を行う。
 天童木工の前身は、天童木工家具建具工業組合。その共同事業所が完成した1940年6月12日を創立記念日と定めている。
 洋家具との出会いに端を発する天童木工の家具づくりは、戦後、日本の気候風土に根差した建築・デザイン文化を追求した建築家やデザイナーとの協働により大きく発展した。なかでも剣持勇氏を中心に日本独自のデザインを探ろうとする「ジャパニーズモダン」の思想から、同社のものづくりは大きな影響を受けているという。
 80周年記念事業の一つは、記念書籍「天童木工―ジャパニーズモダン(仮題)」の発刊。同書ではジャパニーズモダンの普遍性を改めて探りながら、同社と協力してきた建築家やデザイナーとの数多くの仕事を時代順に追い、その実例とともに同社が日本の家具や空間に寄与してきた役割を再考、時代とともに変わるライフスタイルの考察も含めて歴史を振り返る。

注目の3氏の新作

 もう一つのプロジェクトは「ジャパニーズモダン」を再考しながら、新たにデザイナーを招いて、建築、インテリア、プロダクト、それぞれの視点から次の時代を見据えた家具づくりに取り組む。
 デザインを担当するのは、世界的に活躍する建築家の中村拓志氏(NAP建築事務所)、デザイナーの熊野亘氏(デザインオフィスkumano)と二俣公一氏(KOICHI FUTATSUMATA STUDIO)の3人。同社の80年にわたる歴史や技術と、3氏それぞれの創造性がどのように融合し結実するのか成果が期待される。
木材加工技術の可能性を追求

 加藤昌宏・天童木工社長の話 天童木工は6月12日をもちまして80周年を迎えました。これもひとえに皆さまの多大なるご支援とご愛顧の賜物と心より感謝申し上げます。
 日本でいち早く成形合板による家具を製品化し、以来、基幹技術として磨きをかけ、自動車内装部品への応用や圧密成形技術として発展させてきました。
 今後も木材加工技術の可能性を追求し、環境に配慮した皆さまに喜ばれるものづくりを目指します。
 どうぞこれからの天童木工にご期待ください。引き続き、末永くお引き立ていただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

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