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★コロナショック この難局をどう乗り切るか  一般社団法人日本家具産業振興会会長 加藤知成氏に聞く

加藤知成会長
新型コロナウィルスの感染を抑えるために、銀座の百貨店は張り紙で告知して一斉に休業した

プロローグ
 新型コロナウイルスの感染拡大による経済危機をどう乗り切るか。外出自粛要請のために人々の在宅時間が長くなる中で提案できることがある。まずは「お客さまに困っていることはないかと問いかけることから始まる」と一般社団法人日本家具産業振興会の加藤知成会長。本紙の電話インタビューに「これまでのことを見直して次に備える時でもある」と提言した。

増える在宅時間 顧客への提案を/見直しと次への備えの時
 新型コロナウイルスの感染拡大による災禍は、自然のありがたさを軽視した結果ではないかと思います。人間は自然の一部であり、その恩恵を受けている私たちは、自然の繁栄のためにどれだけ努力をしてきたのでしょうか。
 私は医者から「生かされているのか、生きているのか」と問われて答えに窮したことがあります。その医者はこう言いました。
 「生きるということは呼吸をすることだ。呼吸は酸素を吸って二酸化炭素を吐き出す。その酸素は植物(森林)が光合成をしてつくっている。その木をあなたは本当に生かしているのか」。そういうことを忘れて「この世の春だ」と浮かれていてはいけないと戒めました。自然が支えてくれているからこそ、人は繁栄できるのです。

●家を見直す時
 外出自粛要請に協力して家で過ごす時間が長くなっている人が多くなっています。ある意味これは、家のことを見直すチャンスでもあります。
 いままで外で働いていた女性たちも、会社から在宅勤務するように言われて、外出もままならず、部屋のインテリアに目を向けることが多くなっているはずです。経済への影響を心配して暗くなっていても仕方がありません。家具業界にとって、これを追い風としてとらえる見方も必要です。
 そうした見方をすれば、これまで家具を買っていただいたお客さまに「家の中で困っている事はありませんか」と電話で聞いてみるのも仕事の一つとなるのです。

●特技寄せ協力を
 要は新型コロナウイルスの影響で景気が後退し、ものが売れないと言われるなかで、いかに売れるようにするか、ということを今一度考え直さなければいけません。それぞれお持ちになっている技術を、どう再編するか、その技術を何に使えるのか、今まで当たり前と考えていたこと、やらなければならないのに、やれなかったこと、注文にかまけてなおざりになっていた設備の効率性、自分がやろうとしていたことに本当にメリットがあるのか、こうしたことを見直して次に備えるべきではないでしょうか。IoTの特性を生かして考えることも大切です。
 日本家具産業振興会のメンバーに申し上げたいのは、それぞれの特技を披露し合い、お互いに任せられる方に任せて協力し合うこと。そうして、この難局を乗り切ってほしいと思います。

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