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メゾンエオブジェ 注目レポート 「LIGHT TREND 2019 IN PROGRESS」 照明デザイナー石井幹子氏+石井リーサ明理氏 最先端の照明技術と、ヒューマンな家具でパリのアパルトマンをホームオフィスに

石井幹子氏(左)と石井リーサ明理氏(右)。食事や仕事を照らすテーブル・ランプと仕事用の椅子として、またリラックスするためにも使えるデイベッドの組み合わせ。 照明ダクトに装着できる映像プロジェクターシステムによる壁面の映像がホームオフィスに広がりを演出する
オカムラの「IRECO II」と同社デザイン本部チーフデザイナーの永石昇氏。
「IRECO II」は、日本の伝統工芸である曲木や漆からインスピレーションを得てデザインされた。カラーはモダンな雰囲気のシルバーと木目調の2種から選べ、一番小さなチェストにはキャスターも装備されている。用途に応じて、ワーキングデスク、ダイニングテーブル、子供のお絵描きコーナーなどに変身するファニチャーの新しい提案

 日仏の外交交流を記念したエッフェル塔のライトアップやブランデンブルグ門でのイベント照明など、世界中で仕事を手がける照明デザイナー石井幹子氏、石井リーサ明理氏親子。インテリア業界のパリコレとも称されるメゾン・エ・オブジェに今年の9月展で7年連続の出展を果した。
 両氏がプロデュースした公式展示「LIGHT TREND 2019」では13の企業とタッグを組み、最先端技術の光のデザインと家具・オブジェを組み合わせたアーティスティックなインスタレーションを発表した。
 石井リーサ明理氏は「最近は仕事とライフスタイルの関係が急速に変化し、職場でも自宅のようにくつろげる空間を取り入れたり、一方で自宅で仕事をしたりするという機会も増えています。今回のM&Oの展示テーマ『WORK!』に呼応して、ここでは快適な光環境づくりに焦点を当て、それに合わせた家具を選び、パリのアパルトマンをイメージしたホームオフィスを想定した空間をプロデュースをしました。ハイテク機器、 IOTの技術により、光の技術は日進月歩の進化( PROGRESS/プログレス)を続け、私たちの照明デザイナーの仕事も進行中(WORK is IN PROGRESS)という意味で、”イン・プログレス”をサブテーマにしたのです」。
 
■仕事をする空間と同時にリラックスできる空間デザインを提案。

 その中で日本の家具メーカーとはオフィス家具のオカムラ、マットレスメーカーのエアウィーヴが協業。リビング・ダイニングルームに、オカムラが製作した机2点と椅子2点が入れ子状に収納できるワーキングデスク「IRECO」シリーズの第2弾「IRECO II」を発表。今回は新たにくつろぎながらも仕事が出来る要素を取り入れるためデイベッドも加わった。
 天井にはパナソニック社製の超小型映像プロジェクターを設置。ヒューマン・セントリック・ライティングという独自のハイテク制御システムにより、人の動きや時間帯に合わせて白色のトーンと照度を変え、人が快適に過ごすことのできる空間をコーディネート。テラスを模したコーナーにはエアウィーヴのベッドマットレスと段ボールで作られたエコロジーなベットフレームを設置。テラスからの眺めは、一昨年石井氏両名がスタンレー電気とエッフェル塔の特別ライトアップを行った際の映像が映し出された。
 石井幹子氏は「光は人にとって優しく気持ちの良い空間づくりのためにあるもの。今回提案したキャンドル型LEDスピ ーカー や最新型レーザースポットを駆使した アートワーク など、ハイテク技術の進歩によって、さらにいろいろな提案ができるようなった」と語り、また石井リーサ明理氏も「光は空気のような存在。あって当たり前。だからこそ光が気持ちの良いものとなればそれが良い経験に変わる。私たちは今後もその良い経験を光の力で生み出していきたい。」と、意気込みを語った。(小田部悠記者)

エアウィーヴのベッドマットレスと同社製造本部の野本学氏。マットレスは水や汗に強く丸洗い可能な同社の独自素材「エアファイバー」製。ベッドフレームはダンボール素材のみで作られた「ベッドスマート」。今シリーズは「東京2020 オリンピックエンブレムGo For 2020! Graphics
〜 HANABI〜」と題し東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の選手村にも納品される
最新の金色のスポットを 使用した黄金に輝くオブジェ「ゴールデン・フォール」。昨年ジャポニスム2018特別ライトアップでエッフェル 塔を金色に染めた最先端テクノロジーを駆使したゴールドに輝く滝のようなアートオブジェ

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