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会員型共働ワーク施設開設 「未来のオフィス空間」を実験

ポイントゼロ・マルノウチのオープンスペースの一部
プロジェクトについて説明する荒川和巳オカムラ上席執行役員マーケティング本部長

 オカムラ、ダイキン工業、パナソニックなど企業9社は7月16日、未来のオフィス空間を実現するための会員型共働ワークスペース「ポイントゼロ・マルノウチ」を東京・丸の内に開設した。この施設は9社の共同プロジェクトである「空間データの協創プラットフォーム『CRESNECT』」の第1弾として、各社が保有する最新の技術やデータ、ノウハウを融合し、AIやIoTを駆使した空間コンテンツを利用者に体感してもらうことで、健康で快適に働けるオフィス空間づくりに向けた実証実験を行なうもの。

オカムラなど9社

 東京駅から徒歩3分の丸の内二丁目ビル4階に設けられたポイントゼロ・マルノウチは、面積1082平方㍍、総席数220席の会員制ワークスペース。会議室、プライベートオフィス、オープンスペースのほかに集中ブース、仮眠ブース、瞑想ルームなどが設けられている。
 実証実験に参加しているのはオカムラをはじめダイキン工業、東京海上日動火災保険、ライオン、MyCity、アサヒビール、TOA、TOTO、パナソニックの9社。
 参加9社によると、ポイントゼロ・マルノウチでは、社会課題の一つである「働き方改革」をテーマに、理想のオフィス空間の実現を目指した、さまざまな空間コンテンツの実証実験が予定されている。
 実際に人が働くオフィス空間を活用して、作業者の動線や仕事中の姿勢、室内の温湿度、内装デザイン、照明・音・香り、アルコールも含めた飲食など、さまざまな要素が働く人に及ぼす効率性や創造性、健康への影響を収集・分析するほか、利用者のフィードバック情報も活用し、効果を検証しながら空間コンテンツの高度化を図る。
 利用料金は、個室会員は月額10万5000円、自由席の随時利用は15分ごとに250円(いずれも税別)となっている。

オカムラは昇降デスクなど設置
 今回の実証実験でオカムラは①センサー搭載のオフィス家具の導入と、その実験を通じた商品化推進②取得したビッグデータを活用した新たなサービス開発の推進③参加企業とのコラボレーションによる新たな価値提供の可能性の模索―を目指す。このため上下昇降デスク「スイフト」と新開発のセンシングチェア「センサス」、仕事に没頭するための集中ブース「マッフル」など製品多数をフロアに設置している。
 スイフトは、作業内容やユーザーの好みに合わせて、天板の高さを65~125㌢まで変えられる上下昇降デスク。2014年に発表して以来、多くの企業に採用されているという。
 センサスは、センサーを装備した多機能チェアで、基本の座り方や椅子の設定について端末を通してユーザーにアドバイスするとともに、データは次の製品開発に利用するという。
 共同プロジェクトへの参加について荒川和巳オカムラ上席執行役員マーケティング本部長は「これまで社内で製品の市場性などについて研究してきたが、製品をこうした場所に出すことによって、フィードバックをすみやかに開発に結び付けられる実験ができるのがメリット。さらに当社の製品と、照明や空調といった各社の実験・検証ソリューションの交流が、すでに各社の担当者レベルで始まっており今後に期待できる。これまで当社は物の販売が多かったが、これからは目に見えないソフト、システムを組み込むことが家具の付加価値になるのではないか」と語っている。

オカムラが設置したセンサー搭載チェア
上下昇降デスク
仕事に没頭するための集中ブース「マッフル」

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