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レクトラの皮革裁断システム カリモク家具が導入 家具生産の変革目指す

インダストリー4.0に対応した皮革裁断ソリューション「Versalis」

 フランスを拠点に布地や革の裁断システムなどを製造・販売しているレクトラの日本法人、レクトラ・ジャパンはこのほど、オフライン皮革裁断ソリューション「Versalisオフライン」をカリモク家具に販売したことを明らかにした。同装置の導入はアジアで初めてという。



 レクトラ・ジャパンによると、Versalisは家具用皮革裁断の機能が備わったCAD/CAMシステムで、皮革のデジタル化からパーツ裁断までの大量生産に特化しているのが特長。材料消費を最適化し、裁断室のパフォーマンスを最大化するために、張り家具メーカーから寄せられた意見を反映して開発したという。
 主な特長は①製造プロセスの最適化と柔軟性②定期的に裁断ソリューションをアップグレード③設計と製品開発のコスト管理がより簡単になる―など。
 これらにより、効率的な生産の実現や長期的な競争力向上、プロセス・方法・皮革の種類・グレードにかかわらず、KPI(重要業績評価指標)、生産性、作業の柔軟性などのニーズを満たすとしている。
 カリモク家具では、皮革の自動裁断システムの革新・デジタル化を目指してきたが、Versalisオフラインとともに、レクトラのレザースイートソフトウェアを組み合わせることで、高性能な裁断機能で高価な皮革の歩留率を大幅に向上させるとともに、高い生産性が実現できることを確認したとしている。
 導入に当たっては、フランス・ボルドーのレクトラ国際先進技術センター(IATC)を訪問し、実際に生産で使用される皮革と同等のサンプルを使って裁断テストを行った結果、導入を最終判断したという。
 カリモク家具の林博行専務取締役は「当社は皮革裁断の新しいアイデアやアプローチの方法を提案してくれるパートナーを探していた。カリモク家具がアジア初のVersalisオフラインプロセスを導入する家具メーカーになることに誇りを感じている」と語った。
 また、レクトラ・ジャパンの田中昭彦社長は「カリモク家具の工場を訪問した際、最終商品はもちろんのこと、材料やプロセスの一つひとつにこだわり『お客さまに最高品質の商品をお届けしたい』という誇りを感じた。そのような企業文化を持つカリモク家具に採用いただいたことを大変うれしく思う」と述べている。
 レクトラは1973年設立。ファッション・アパレル業界から始まり、現在は自動車、家具まで、布や革などソフトマテリアルを扱うためのCAD/CAM、設計・型入れソフト、裁断機を製造・販売している。

仏でセミナー 参加者を募集

 レクトラは6月5、6の両日、仏ボルドーで家具セミナーを開催、参加者を募集している。ソファアームと背もたれ作成の実演、工場見学、カリモク家具の林博行専務が講演するほか、米シンシナティ大学から世界的なデザイン、イノベーション分野において20年以上の経験を持つジョコ・ブラトヴスキ博士を講師に招く。家具市場分析、各社の事例報告なども紹介する。
https://go.lectra.com/registration_event_Furniture_2019_JA.html?から申し込みできる。

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