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旭川でクリーンウッド法セミナー開催

旭川で開催された「クリーンウッド法と家具業界」
積水ハウス佐々木氏(右)とミニストップ杉浦氏

 家具新聞社などが主催する全国セミナー「地域経済活性化セミナー クリーンウッド法と家具業界~解説と報告 国内外を市場としたビジネス戦略」が10月5日、北海道旭川市のイオンモール旭川駅前内のイオンホールで開催された。家具、木材業界などから約70人が参加し、合法木材のビジネス利用を積極的に進める積水ハウス、ミニストップ担当者からの講演などが行われた。質疑では「業界が先行して進める合法木材供給事業者認定と一本化できないのか」「登録に際しての費用負担が重い」などの意見が出た。

「コンビニ木材利用」講演も 「水際での規制」求める声

 セミナーは初めに、林野庁林政部木材利用課林業・木材産業情報分析官の河野晃氏が「クリーンウッド法の概要と意義」を解説した。河野氏は「登録事業者になることで輸出の際に相手方の国に対してアドバンテージになる」とし、家具業界からの事業者登録を呼び掛けた。現在の家具・木材関連事業者の登録は「南海プライウッド、住友林業クレスト、TSC、ワイス・ワイス、ウッドワン、カンディハウス、双日九州、メーベルトーコー」の8件と話した。
 積水ハウス環境推進部部長の佐々木正顕氏は「これからの住まいとクリーンウッド~環境調達の先進事例、住宅から家具まで~」を講演した。佐々木氏は旭川家具の高品質、高デザインの素晴らしさに触れ、「それだけを売りにしていてはもったいない。家具を通じてどんな社会、未来をつくり上げていくのかを考えることで、より魅力的な製品を送り出せる」と期待を込めた。
 コンビニエンスストア業界でいち早く合法木材の利用を進め、2009年から国産FSC認証材を使用した店舗を展開するミニストップ・システム本部建設施設部建設施設企画チームマネージャーの杉浦一則氏は「地域を担うコンビニエンスストアと木材利用」と題して講演した。杉浦氏は「環境面から考えたのではなく、コスト面で木材を使用した方が安いという点から始まった」と同社の直営店舗でのFSC認証材導入の過程を説明した。
 最後に登録実施機関の一般財団法人日本ガス機器検査協会JIA―QAセンター環境検証室室長の柳澤衛氏がクリーンウッド法の登録方法の詳細を説明し、個別相談会を行った。
 質疑では「水際で違法伐採木材を規制することはできないのか。なぜ末端で木を切り刻む家具業界が合法伐採木材のチッェクをしなければならないのか」という厳しい質問があった。河野氏は「海外では水際で規制している法律もあるが、グリーン購入法の施行後に林野庁のガイドラインができて以降、みなさまがサプライチェーンのなかで合法伐採木材を使ってきた10年間の取り組みの中で生まれたのがこの法律」と答えた。
 クリーンウッド法と業界が進めている合法木材事業者認定との違いを問う質問に対して河野氏は「世界的にみると団体による認定は、なかなか認めてもらえない。第3者が認めることが国際的にも必要。将来的にはどちらかに一本化する方向になればいいが、現状の木材登録事業者数を考えると、急激に変えると現場が混乱する。ご意見を聞きながら登録のあり方を検討したい」と法律の背景を説明し、理解を求めた。

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