ニュース2018.10.03
合法伐採木材利用の促進をテーマにしたセミナー「クリーンウッド法と家具業界」(一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会、家具新聞社主催)が9月28日、東京・日本橋茅場町の「FinGATE KAYABA」で開催され、70人を超える来場者が集まった。第1種と第2種に登録したカンディハウスの泉田淳志氏が「後から思うとシンプルに登録できることが分かった」と登録までの経緯と実務について語り、イケア・ジャパンの佐藤美和子氏がFSC(森林管理協議会)の認証材など、同社の環境調達の考え方について紹介した。
東京セミナーでカンディハウス購買本部取締役本部長の泉田氏は、クリーンウッド法の登録の過程で「あらためて世界の森林の事情に興味を持って調べると、国によって違法伐採が数多く行われていることに驚いた」と話し、講演でも同氏が自ら調べた、世界各国の森林事情について紹介した。
泉田氏は、長原實氏が創業した当時からの「大切な木材を絶対に無駄にしない」理念について紹介し、早い段階から輸入木材の合法伐採木材の利用や植樹活動に取り組んでいることを紹介した。
「原料費が上がることは本音として避けたいことではあるが、持続可能な資源として未来に残すことも大切である」として、過去にあったVOC規制でF☆☆☆☆基準が設けられた経緯について触れ「コストが急激に上がって苦労したが、しばらくすると社会全体がその方向に動き出した」ことを振り返った。同様に「近い将来に大きな流れとなって世界の森林が乱伐や違法伐採から守られ、ユーザーにもその意味や価値を理解してもらえる環境になることが最も重要」と訴えた。
登録に際しては「最初は大変だと思ったが、終わってみるとシンプル」と同業他社にアドバイスすると、短期間で登録が終わったという。
イケア・ジャパンの佐藤氏は、サプライヤーが同社とビジネスをするための基準(IWAY)が守られているか監査をするサスティナビリティコンプライアンスレビューアーを務めている。「20年までに全ての木材をより持続可能な調達先から仕入れ、FSC認証材かリサイクル材のみを使用していく」同社の取り組みを紹介した。
また、木材の調達・伐採国に対して国内および国際的な関連法を順守することなど、サプライヤーに対して定めた要求事項などを挙げて紹介した。
同社はキッチン回りの特注商品に関しては国内で生産しており、人工大理石やステンレスの裏に使う強度を上げるための木材には国内のFSC材を利用している。
クリーンウッド法の概要については、7月に林野庁木材利用課課長に就任した長野麻子氏が説明した。登録実施機関は、一般財団法人日本ガス機器検査協会JIA―QAセンター環境検証室室長の柳澤衛氏が登録方法の詳細について説明し、個別相談会を行った。
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