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旭川デザインウィーク出展リポート <上> 国産材家具サミット メーカー5社報告

右からカンディハウスの染谷氏、カリモク家具の池田氏、モデレーターのJDNの山崎氏
右からNPO法人フォレストリンクの白鳥氏、ワイス・ワイスの野村氏、飛騨産業の森野氏、天童木工の永坂氏

 ADWのイベント「第6回国産材家具サミット」が6月21日、旭川市のイオンモール旭川駅前で開かれた。国産材による家具作りに積極的に取り組むメーカー5社が参加し、現状と今後を語り合った。
 出席者は、カンディハウス・染谷哲義氏、天童木工・永坂英樹氏、カリモク家具・池田令和氏、飛騨産業・森野敦氏、ワイス・ワイス・野村由多加氏。ゲストスピーカーにNPO法人フォレストリンク代表理事の白鳥芳洋氏が招かれた。モデレーターはJDNブランドディレクターの山崎泰氏。
 現状の国産材の取り組みについて各社は「北海道産広葉樹を使い、旭川の技術でデザインにこだわり、世界に発信する」(カンディハウス)、「国産材を使用した家具の多様化を進める」(天童木工)、「自治体との連携を進める」(飛騨産業)、「デザインから入る。今は広葉樹だが、今後は針葉樹でも開発していきたい」(カリモク家具)、「地域の方たちと作ることを大事にしたい」(ワイス・ワイス)と報告した。「5社5様」の取り組みに対し、白鳥氏は「新国立競技場の建設が決まり、デベロッパーやホテル関係者から木を使おうという機運が出てきた。問題は『出口』をどうするか」と話した。
 各社は「国産材の家具活用への気運は高まっている」と口をそろえ、「今、追い風が吹いていると感じる」(飛騨産業)という発言もあった。
 一方、行政との連携、支援を求める意見も多かった。白鳥氏は、東京都港区が行っている公共建築物への国産材の利用を推進する「港区モデル」を例に挙げ、「国産材の利用には山元である自治体が動かないといけない」とした。各産地でも事情は違う。「地域の材を使う動きは高まっているが、材料の確保が課題」(カンディハウス)「国産材の利用に向けて、出口側にも助成金を出していこうという動きが行政から出てきた」(ワイス・ワイス)。
 次回の「国産材サミット」は9月開催の「飛騨の家具フェスティバル」で開かれる。染谷氏は「ライバル関係の5社だが、優れた技術で国産材家具を作り、ジャパンブランドとして、ともに海外に発信していきたい」と期待を込めた。

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