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★障がい者・高齢者のための化粧リハビリ自助具 東京工科大とカリモク家具が共同開発

石橋研究室の学生も患者への試作品の検証などに関わってきたという
化粧へのリハビリに特化した自助具

 東京工科大学(東京都大田区)はこのほど「化粧へのリハビリに特化した自助具」の開発にカリモク家具(愛知県知多郡)と化粧品メーカーのデザイナー渡辺真佐子氏との3者共同で取り組んでいることを明らかにした。
 開発しているのは病気や障害によって化粧品を使いづらくなってしまった人のための自助具で、今回、自助具のプロトタイプを東京・港区のカリモクリサーチセンターで4月18日まで公開中。
 東京工科大学医療保健学部作業療法学専攻の石橋仁美准教授によると、開発中の自助具は、高齢者や上肢に障害がある人も負担なく化粧品の蓋を開けることができるほか、ケースを開けた後チップや筆につける際の課題にも対応しており、化粧品の準備から片付けまでの⼀連の流れが考慮されている。
 このプロジェクトは、障害のある人や高齢者のルックスケアや化粧行動を研究している石橋准教授とカリモク家具、化粧品メーカーでユニバーサルデザインを研究している渡辺真佐子氏が2023年8月から取り組んできた。
 化粧など⾝だしなみを整える「ルックスケア」は、意欲が低下した患者の積極性や社会参加を促したり、他のリハビリへのモチベーション向上にもつながるが、作業療法の現場では、まだ⼗分に広がっておらず、愛用の化粧品が病気や障害によって使いづらくなってしまったり、市販の自助具の選択肢も限られているのが現状という。
 開発チームは、自助具は豊かな⽣活を送るための大切な道具と考え、⽊ならではの素材の温かさ、⼿触りの良さ、⽣活になじむ佇まいを生かし、障害の有無に関わらず誰もが机上に置いておきたいと思えるようなデザイン性を兼ね備えているとしている。
 カリモクリサーチセンターでの展示品は、ボトル型、パレット型、広口ジャー型の化粧品容器を使用するための自助具プロトタイプなど。会場は東京メトロ表参道駅から徒歩約10分(東京都港区⻄⿇布2―24―2)。

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