自私寸評

2024年9月4日付 自私寸評

 いまさらではあるが酷暑の夏だった。9月に入って、にぎやかだったセミたちの鳴き声も心なしかわびしく聞こえる季節になった。セミは樹皮に卵を産み、10カ月ほどで白い小さな幼虫が卵からかえる。子どもたちは地面に下りると土に潜り込んで地下の暮らしに入る。およそ5年間を地下で過ごした幼虫は、何を思ったか地面からひょっこり顔を出し、再び木に登り、殻を脱いで成虫となる▼本能に導かれて、この明るい世界に出てきたも…

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