ニュース2024.09.11
月光荘画材店(東京都中央区)は9月10日、昭和期を代表する画家・猪熊弦一郎氏(1902―1993)が40年前にデザインしたダイニングテーブルセットをこのほど復刻し、展示会「猪熊弦一郎×月光荘 再会の食卓」を10月18日から11月4日まで、香川県高松市の中村谷ショップで開催すると発表した。
月光荘によると、猪熊氏と月光荘の創業者・橋本兵蔵氏は親しく交友し、スケッチブックやポストカードなど月光荘製品の多くを共に制作してきた。
そのうちの一つが無垢材を使った組み立て式のダイニングテーブルセットで、猪熊氏の家具デザインとしては珍しく、民芸の流れを汲む素朴で土着的な佇まいが特徴。
低い目線を好む日本人の民族性を意識し、天板も椅子の座面も低めに設定。節の表情を出すため木裏を表にし、製品それぞれに個性が出るよう、チェアの座面をランダムに木取りしているほか、テーブル左右の引き出しは、同じ個所から木取りすることで美しい木目の流れを楽しめる。
今回、制作を手がけたのは香川県で170年以上の歴史を誇る家具専門店・中村谷(高松市)で、当時のスケッチや手紙から忠実に制作意志を汲み取って図面化。質実剛健でユーモアのあるデザインがよみがえったという。
テーブルの材質はヒノキ(木製ナット蒲桜)。サイズは幅1214×奥行き988×高さ642㍉。重量34㌔㌘。販売価格は65万6700円(税込み)。
チェアの材質はクリで、幅395×奥行き405×高さ1085㍉。座面高372㍉。重量4・5㌔㌘。価格は25万9600円(税込み)。
中村谷ショップ(高松市鍛冶屋町1―10、電話087・851・2232)で展示されるのは、テーブル、チェアのオリジナル版と復刻版のほか、猪熊氏と月光荘の往復書簡など。
月光荘では復刻家具を通じて、職人による本物のものづくりと猪熊氏のデザイン哲学が交わることで生まれた木工家具の美しさを広く伝えたいとしている。
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