ニュース2023.06.27
 カリモク家具と日本航空(JAL)は6月14日から16日までの3日間、退役した航空機の廃材をインテリア製品としてアップサイクルした「Upcycling Airplanes JAL | Karimoku」を、東京ビッグサイトで行われたインテリアライフスタイルに出展した。
 「ボーイング777型機」のさまざまな航空機材を再利用し、建築家・デザイナーの芦沢啓治氏をはじめ、倉本仁氏やイトウケンジ氏など7組の建築家・デザイナーがデザインしたプロダクトがブースで披露された。
 JALエンジニアリング事業推進部統括マネジャーの金森詩音氏、芦沢氏、カリモク家具副社長の加藤洋氏が登壇したトークショーも行われた。
 JALはこれまで、役目を終えると国外に運ばれていた航空機を同グループとして初めて国内で解体し、資源のリサイクルや廃棄部品の商品化・販売などのアップサイクルを推進している。
 日本航空の商社部門を担うJALUXダイレクトマーケティング部の山田峻広氏は「最初は飛行機の廃材をポーチなどにしたのがきっかけだったが、マニア向け商品が多かった。さらに幅広く将来の日本航空ファンを増やすために、生活に馴染むプロダクトの開発を模索していた」と開発の経緯を話した。カリモク家具とのコラボレーションは「日常生活で最も身近な家具へ廃材を生かせないかと考えたのが始まりだった」という。
 日本航空マイレージ・ライフスタイル事業本部の加藤孝弥氏は「お互いの企業マインドが共鳴し、プロトタイプができるまでかなりスピーディーに進んだ。両社のお客さまやファンの嗜好が似ていることも、共同開発していく過程で確信し合えたのは大きかった」と話した。
 金森氏はアップサイクルについて「廃材や端材製品は、企業の垣根を越えて作られた意味を継承しバトンを繋ぐシステムづくりが大切。ただ循環型社会のサイクルをつくるのではなく、物に対しての品質やマインドが一緒でさらに良い物に作り変えたいという志も企業間で必要不可欠」と語った。
 参加デザイナーは次の通り。芦沢啓治氏(芦沢啓治建築設計事務所)、イトウケンジ氏(MUTE) 、熊野亘氏(kumano)、倉本仁氏(JIN KURAMOTO STUDIO)、鈴野浩一氏(トラフ建築設計事務所)、辰野しずか氏(Shizuka Tatsuno Studio)、寺田尚樹(inter.office)。
<プロダクト紹介>
HATCH TABLE(鈴野浩一氏)
 航空機のメンテナンスのために設けられているさまざまな点検ハッチに、ボディや尾翼を模した木製の脚を取り付けて高さの異なる2種類のサイドテーブルを制作。
WINDOW STOOL(芦沢啓治氏)
 航空機の客室の外側窓を座面に用いたスツール。アクリルで作られた外側窓は、外気に直接さらされながら、大きな与圧にも耐えられる丈夫さを持っている。
BELT STOOL(芦沢啓治氏)
 JAL特有の赤いシートベルトを使ったスツール。安全性を担保されたベルトと金具をそのまま利用し、カリモク家具の3枚の未利用材で構成している。
FUEL TUNNEL(イトウケンジ氏)
 主翼下にある燃料タンクの扉のフレーム2つを木管でつないだ。実際にはフレームをはずした楕円の穴から燃料タンクに人が入るという。同様に楕円の穴を通して物を入れる様子をイメージしながら形を考えている。
航空機的スーパー楕円のサイドテーブル(倉本仁氏)
 航空機の外装を構成する部品には、角が美しく丸められた「スーパー楕円的な形状」が採用されていることに着目して作られたサイドテーブル。
LACH LACK(イトウケンジ氏)
 ギャレー(厨房設備)の収納扉に使われているラッチをフックとして使用した。ベースは主翼にある燃料タンクの扉を使っている。
Bellows(熊野亘氏)
 革のような独特の風合いを持つ貨物室の壁材を外側に、カリモク家具の張地に使われている革の端材を内側に使い、家具を縫製するように作られたマルチユースなケース収納。
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