連載2020.05.20
ピーエーエス(大阪府箕面市)は、作業療法士でシーティングデザイナーの野村寿子さんのデザインによるオーダーメードの椅子を作り続けている。
「椅子の表面形状によって生活の質が大きく変わることを、重い障害おある方々のオーダーメード椅子作りを通して気付きました」。野村さんの作業療法士歴は35年以上。椅子や車椅子の座位保持装置など、年間300件を超える採型を行っているという。
同社が展開する「P!NTO SEATNG DESIGN(ピント・シーティングデザイン)」は、野村さんが障害者と接し、学んできた経験を原点として、より多くの人たちが心地よく座れるシーティング理論に発展させたもの。独自の採型技術とえりすぐった素材を用いた「世界に一つしかない椅子作り」は、多くのメディアで取り上げられた。2018年には、東京・南青山に実際に体感できるショールームをオープンし、19年にはドイツの権威ある国際デザイン賞、ジャーマンデザインアワードを受賞している。
解剖学や運動学に基づく独自のエスリーム技術による採型は、骨の重み、関節の動き、骨の方向、筋肉の緊張と皮膚の温度、肋骨(ろっこつ)の動きと呼吸の深さなどを手の感覚で丁寧に調べて行われている。こうしたノウハウを結集した車椅子用の「MOLD SEAT(モールドシート)」は、姿勢が崩れる、お尻が痛いといった車椅子の座位の問題を独自の3次元形状によって解消した。背もたれが肋骨を支え、背筋を伸ばすことによって頭が上がる姿勢に導き、肩の力も抜けリラックスできる。
「PERCH(パーチ)」は、11年にグッドデザイン賞を受賞したデザイナーの柴田映司さんとのコラボレーションによるパーソナルチェア。流れるようなフレームと野村さんがデザインした3次元の表面シートが特徴。
「P!NT CHAIR LIVING」は、頭、肩甲骨、肋骨、骨盤、お尻、足の6つの支えが体の重い骨を支えて「重さから解放されるリラックス感」を導く。いずれも同社ならではのエスリーム技術を駆使して生まれた心地よさを特徴とするデザインである。
おわり
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