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「合法木材の家具」PR 本社主催「クリーンウッド法と家具業界」

地域経済活性化セミナー「クリーンウッド法と家具業界」は7月、猛暑の家具産地・大川から始まった
積水ハウスの佐々木氏(左)と三越伊勢丹プロパティ・デザインの手塚氏

 家具関連業者の「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(クリーンウッド法)」登録を推進しようと、家具新聞社と一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会が主催する地域経済活性化セミナー「クリーンウッド法と家具業界~解説と報告 国内外を市場としたビジネス戦略」が、7月から家具産地を中心に全国で開催されている。林野庁担当者からのクリーンウッド法の説明や合法伐採木材を既にビジネスに利用している企業からの講演などがあり、家具・インテリア業界をはじめ林業・木材、建設、サービス業界関係者らが来場している。

 セミナーは7月27日の大川から始まり、9月7日に飛騨、28日に東京、10月5日に旭川、23日に広島、26日に静岡、11月9日に大阪で開催し、22日の仙台で終了する。
 各会場では林野庁林政部木材利用課の担当者が「クリーンウッド法の概要と意義」を解説し、民間企業による合法伐採木材の利用例を企業担当者が講演。最後に、クリーンウッド法の登録実施機関担当者が「クリーンウッド法の登録の流れ」を説明し、個別の相談会も行われる流れだ。
 「クリーンウッド法の概要と意義」を解説した林野庁林政部木材利用課林業・木材産業情報分析官の河野晃氏は「登録木材関連事業者は第三者機関から合法伐採木材を利用する会社として認められ、対外的にアピールできる」と訴えた。「輸出の際に相手方の国に対してのアドバンテージになる」としたが、登録事業者数がまだ少ないことに触れ「今後、消費者に対してクリーンウッド法をPRすることで登録者のメリットにつなげたい」と話した。
 参加者からは、日本家具産業振興会などの業界団体が林野庁のガイドラインに基づいて行っている合法木材供給事業者認定との違いについての質問が多く出た。
 協同組合飛騨木工連合会ブランド委員会顧問の本母雅博氏は「どの業界よりも早く、使用する木材の合法性を訴えてきた」と話し、「合法性を証明する手段が二重の手間にならないようにクリーンウッド法と合流する形で一本化できないか」と問い掛けた。
 河野氏は「グリーン購入法については、関連省庁と連携して今後について考えていきたい」と話した。

主な講演

「これからの住まいとクリーンウッド~環境調達の先進事例、住宅から家具まで~」
積水ハウス環境推進部部長・佐々木正顕氏

 既に事業者登録をしている積水ハウスの佐々木正顕氏は、同社の木材調達ガイドラインを示し、持続可能な社会に向けて実践している取り組みを話した。家具業界に対し「伝統、品質、使い心地などに加えて新しい家具の価値観をつけることで、より魅力的な製品が生まれる」と期待し、クリーンウッド法の登録は「他社と差別化できるチャンス」と話した。

「日本橋三越本店 環境調達とフェアウッドの取り組み」
三越伊勢丹プロパティ・デザイン取締役執行役員
環境創造部事業部長・手塚鉄治氏

  10月24日にリニューアルオープンした日本橋三越本店(東京都中央区)は、グランドフロアのインフォメーションカウンターなどにFSC(森林管理協議会)認証材を使用した。同社のSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みなどについて、手塚鉄治氏は「クライアントに対する経営方針」とした。一方で、FSC認証材の国内調達の難しさに触れ、「認証材の調達から製造工場までの生産体制を確立するためのネットワークを広げたい」と話し、「ぜひ一緒にやりましょう」と期待を込めた。

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