ニュース

家具業界お待たせ ワイス・ワイス クリーンウッド法登録1号

宮城県栗駒山のスギを使ったワイス・ワイスの代表作の「クリコマ」
隠岐の島のスギを使った最新作の「a piece of forest」

 ワイス・ワイスは7月9日、「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(通称クリーンウッド法)」の第2種登録木材関連事業者に登録されたと発表した。家具製造販売業の登録は初めて。登録実施機関の一般財団法人日本ガス機器検査協会(JIA)に申請していた。昨年11月に同法の登録が開始されて以来、家具業界の登録はゼロが続いていた。同社のほかにも既に申請しているメーカーがあり、今後の登録に拍車がかかりそうだ。


 ワイス・ワイスは国産材を使った家具作りを進めており、「関係者の顔が見える」木材調達を進めてきた。今回の事業者登録について、同社は「関係取引先・団体との強い絆が実を結んだ。今後も国産材を活用し、クリーンウッド法に対応した安心・安全な家具作りにまい進する」としている。
 登録に要した期間は約2カ月半。「全国の工場など取引先の協力があったからこそ登録を終えることができた」と、営業部企画開発課チーフの野村由多加氏は話す。
 同社は2009年から「グリーンプロジェクト」を立ち上げ、産地が明らかで木材資源再生がきちんと管理されているフェアウッド100%使用を目指し、国産材の家具を作ることに力を入れている。
 「グリーンプロジェクトの根底に流れるのは『地球環境や子どもたちのことを考えた家具』」という同社の佐藤岳利社長。「森を壊さず、森を育てながら、安全な材料を確保し、長期間使用できるベーシックなデザインと強度をクリアした心地よい家具を作ることが目標だった。国産材を使うことによって、製造・輸送の消費エネルギーを大きく削減できる」とプロジェクトについて語っている。
 宮城県栗駒山のスギを使って地元の木材業者などと作る「クリコマ」シリーズは、12年にグッドデザイン・ものづくりデザイン賞、15年にソーシャルプロダクツ・アワード「東北復興」特別賞を受賞している。5月には島根県・隠岐の島のスギを使った新作照明器具「a piece of forest/森のかけら」を発表した。

登録は「いろは」の「い」

 佐藤岳利社長の話 私たちが依存している自然資本をどんどん減少させながら事業を行っていたら、地球は「持続可能」であるわけはなく、将来の利益が失われたり、そもそも事業が行えなくなってしまいます。私たちワイス・ワイスは、事業を通じて地域の健康な森づくりに貢献し、地域の林業、製材業、木工業の事業者、そして地域に暮らす皆さんと手を取り合いながら、未来の世代へ美しい地球を手渡すことができると考えています。クリーンウッド法に登録することは、そのための「いろは」の「い」ではないでしょうか。

ニュースの最新記事