自私寸評

2021年8月4日付 自私寸評

 自宅近くのビジネスホテルに、東京五輪取材に来た外国メディア関係者が多数宿泊している。プレスセンター行きのバスを待つ彼らの顔は、日に日に疲れていくように見える。暑さにうんざりといった様子。ご苦労さんである。いろいろあったがあと少しで五輪が終わる。競技はほとんど観ていないが、無事にパラリンピックまで終えてほしいと願う▼しかし、この後日本はどうなるのか。新型コロナの感染は収まる気配がない。この1年、目に見えて格差が広がったと思う。会社の都合で雇い止めになった高齢者や若者、閉店した飲食店関係者。知り合い何人かの顔が浮かぶ。いずれも再就職は厳しく「酒でも飲むしかない」とやけ気味だ。政治家や公務員への恨みが強い。五輪の話題よりも政府批判が口をつく。世の中のムードが悪すぎる▼ワクチン接種で全てが好転する、という期待があったが、どうもそううまくはいかないようだ。打ちたくない人も多いし、打ってもかかることもあるようだ。強力なインフルエンザが1年中流行している、という感じになるのだろうか。大変なことだ。マスクは外せない、密な場で酒飲んで酔っぱらうのも及び腰となる。年内は元の生活に戻れないだろう▼1年前は、コロナについてえたいの知れない怖さがまだあった。その分、今耐えれば先が開けるという思いがあったが、今は諦めと行き場のない怒りが大きくなった。そんな人が多くないか。

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