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天童木工 1935年タウト氏デザイン 「緑の椅子」復刻 成形合板技術を利用

成形合板技術を使って復刻された
少林寺達磨寺が所蔵する「緑の椅子」

 天童木工はこのほど、ドイツの建築家で都市計画家のブルーノ・タウト氏が1935年にデザインし、群馬県高崎市の少林寺達磨寺が所蔵する「緑の椅子」の復刻に技術協力した。同寺からの販売を予定しており、発売時期、価格などは未定。
 タウト氏は、33年に来日し、仙台の国立工芸指導所で顧問を務めるなど日本の産業デザイン・工芸の分野で多大な功績を残した。34年8月から36年10月まで少林寺達磨寺の境内で暮らし、その間、多くの家具や工芸品を試作した。スレンダーな造形美にあふれた「緑の椅子」もその一つで、当時の技術では難しいデザインを実現するために強度実験した跡が残されている。
 天童木工は「緑の椅子リプロダクト研究会」とともに現代の技術で復刻し、量産化する計画に協力した。3次元スキャンとモデリングを基に構造の検証を進め、天童木工の成形合板技術の一つである「不等厚成形」によって復刻を実現した。
 量産化のプロセスをまとめた書籍「ブルーノ・タウトの緑の椅子 1脚の椅子の復刻、量産化のプロセス」も丸善出版から発売された。

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