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★「アートとインテリア」町田ひろ子アカデミーが12日からオンラインで開講 受講生を募集中

米国フロリダ州にある個人住宅のリビングルーム。「海外に日本画をウェルビーイングアートとして発信したい」と町田氏
町田ひろ子氏

 町田ひろ子アカデミー(町田ひろ子校長)は、創立45周年記念事業として「アートインテリア環境コーディネーター国際科」を1月12日から開講する。アートとインテリア環境を融合したプロのためのオンライン講座で、町田校長自身が教壇に立つほか、インテリアのプロとして世界で活躍する英国KLCスクール講師による講義が予定されている。

 同校によると、これからのインテリアコーディネートは環境を度外視しては捉えられず、「神経美学の知見」を実証し、見える化するEvidence based Design Orient(エビデンスに基づくデザイン創造)のステージに入ったとして、科学的立証によって施主に納得し満足してもらえるプロフェッショナル人材が求められていることから今回の新講座開講に至ったとしている。
 講座終了後に希望者は新たに設けられる「ストレスアナリスト」の資格が取得できる。
 同校では「世界初の講座をインテリア業界に限らず、この新領域に関心のある人は挑戦して欲しい。さらにインテリアエレメントを主に扱う専門性を自負する企業の方たちにはぜひ受けて欲しい。その理由はコロナ禍で変わる世界のインテリア。商品開発も時代とともに発想を変えなければならない時代となった。そのため世界に発信したいメーカーなど意欲のある企業の方たちには学んで欲しい」としている。
 アートインテリア環境コーディネーター国際科の講義は1月12日から12月28日までの全25回で、各回10時~12時30分。ZOOMによるオンライン形式で行われ、次回の講義まで見逃し配信を行うという。
 主な内容は▽神経美学概要▽ストレスとインテリア▽疲労とストレス▽アートとインテリア▽社会の動向・環境インテリア▽海外のインテリアの動向▽ストレスアナリスト資格―など。学費は入学金8万4000円、授業料20万円。ストレスアナリスト資格希望者は別途取得費用5万円が必要(いずれも税込み)。問い合わせは電話03・5411・0055またはメールgh@machida-academy.co.jpまで。

エビデンスに基づく創造のステージへ
ストレス緩和効果も
ウェルビーイングを実現
 新型コロナウイルスによって自宅で過ごす時間が長くなる中で、部屋の雰囲気を変えようとアート作品を暮らしに取り入れる人が増えているようだ。
 町田ひろ子アカデミーは、2014年に英国ロンドン大学神経生物学研究所が発表した『人は美しいものを見ると脳の血流量が増加し、認知症の進行を遅らせる可能性がある』という神経美学の知見をインテリア空間に活用する、エビデンス(科学的根拠)データのための実験を行ってきた。
 展示会の会場などで、アート作品を飾った小空間を設けて、来場者にリラックスしてもらった後に、心拍数などの測定によるストレスチェックやアンケートを行った。日本のインテリアコーディネートにおいて、エビデンスに基づいた手法を取り入れた先駆けとなる実験を行っている。
 「これまでのストレスチェックの結果から、アート作品によってストレスが緩和されることがわかった。ウェルビーイング(心身と社会的な健康)に深く関わり、脳の活性化にも役立つ」と同アカデミー校長の町田ひろ子氏は話す。
 まずインテリア空間があって、最後にアート作品を飾るのではなく「アートを考えながらインテリア全体の環境を整えることが大切だと思う」。そのために、エビデンスに基づいたコーディネートとストレスアナリストの人材を育成することを目的とした今回の講座を開講するという。
 町田氏は、アート作品を活用したインテリアの環境づくりのために家具業界への協力も求めている。その一つがコンソールテーブルのバリエーション。「日本はその選択肢があまりにも少ない」という。
 「アートとコンソールテーブルは、和室の床の間のようなものだと思う。お客さまに満足していただくために、どういった空間で暮らしてもらうかを考えた時に、一番欠けているのがアートを引き立てるコンソールテーブル」。
 日本の住宅事情からすると、消費者にとってはまだ限られた選択肢かもしれないが「アートのある暮らし」を普及させるための象徴的な役割を果たす可能性がある。

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