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★【Meet up Furniture Asahikawa 2024】昭和木材がケヤキ家具を初出展

ケヤキ材を使った「KOVA」
北海道産材(上)と海外から輸入されたホワイトオークの丸太(下)。径の太さの違いが一目瞭然

 旭川家具の産地展「Meet up Furniture Asahikawa」(旭川家具工業協同組合主催)が19日から23日まで旭川デザインセンターをメイン会場に開催され、各社ショールームでも新作発表や代表的な製品展示が行われた。

 昭和木材(旭川市)の無垢工房「和(なごみ)」は、ケヤキを使ったダイニング「KOVA(コバ)」を旭川デザインセンターで発表した。同社が旭川の家具産地展にオリジナル製品を出展するのは初めて。国産材と家具の市場に一石を投じる製材メーカーの新たな試みとして注目される。
 今回の家具の発表を通じて、ケヤキがナラやタモ材と同じようにスタンダードな家具材になることを目指してケヤキの学名である「Zelkova」から命名された。
 テーブルは無垢材と集成材からなり、ケヤキのボリュームを感じさせる。一方でチェアは、背にケヤキの質感を持たせつつ、脚部がシャープにデザインされており、布、合皮、木座の3種類、布と合皮は3つのカラーから選べる。
 「KOVA」が生まれた東川町にある同社の旭川工場を訪ねてみた。来年に旭川市内にある本社が移転することになっており、5月にショールームがオープンする。乾燥窯も増設する予定。
 昭和木材名古屋支店営業部長の伊藤亮さんの案内で原木ヤードや製材工場をまわった。約1万坪(3万3000平方㍍)の広大なヤードには、丸太約8000立方㍍、挽き終わった木材約2立方㍍、北海道産材から輸入材まで大量の原木が積まれ、丸太のひび割れを防ぐために地下水をくみ上げ、スプリンクラーによる散水が行われていた。
 以前は米国産材が9割近くを占めていたが、現在は米国産材が約3割、国産材が6割から7割近くを占めているという。材種の比率ではナラが最も多く、2番目がタモ。最近はニレ、カバの引き合いが増えてきている。
 「KOVA」の木材は、この旭川工場でケヤキの製材から乾燥まで行われ、旭川でも有数の同社の家具製造ラインで仕上げられた。
 「ケヤキは北海道を除く本州と九州に分布している。価格も安定しており、ジャストインタイムで納品できる」と伊藤さん。「KOVA」をきっかけとしてプロモーションに力を入れていくという。

工場での製材
重い生木を抱えて人の手による材の選別が行われていた

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