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★日本の家具業界に貢献 カリモク家具取締役相談役の加藤知成氏が死去

加藤知成氏

 日本家具産業振興会前会長でカリモク家具取締役相談役の加藤知成(かとう・ともなり)氏が10月20日、病気のため死去した。86歳。24日に告別式が行われる。
 加藤氏は慶応義塾大学経済学部卒業後、1962年に日本ガイシ入社、65年にカリモク家具販売に入社した。67年に取締役社長、2000年に取締役会長、10年にカリモク家具取締役相談役に就任して現在に至る。09年に社団法人(現・一般社団法人)日本家具産業振興会会長に就任、14年に「国産家具表示」をスタート、20年に岡田贊三氏(飛驒産業会長)に会長職を引き継いだ。03年に社団法人(現・公益社団法人)インテリア産業協会会長就任、10年から副会長を務めた。04年11月藍綬褒章、15年旭日中綬章を受章している。
 日本の家具業界のために人生を捧げた。
 カリモク家具と「木の総合文化・ウッドレガシー推進協議会(LWCPC)」が、このほど政府に提出した「日本産材家具の育成と振興政策に関する提案書」では、加藤氏の持論が展開されている。
 提案書では「家庭のインフラ」としての家具の役割を強調するとともに、人の性格は家庭生活からできてくるものであり、家庭環境を形作るのが家具であるとしている。このため、経済や産業という視点だけで済ませることができるものではなく、その管轄は「文部科学省の分野でもあるのではないか」と提起している。さらに家具は修理して使うものであり、世代を超えて使うことによって「家庭の文化財に変身する」と述べ、そのために、職人や後継者の育成の支援策を求めた。
 

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