家具インテリアのネット通販を展開するタンスのゲン（福岡県大川市）は「タンスのゲン本店」サイトのほか、楽天市場やアマゾン、ヤフーショッピングなどのＥＣモールに出店して事業規模を拡大、ＥＣのパイオニアとして大きな存在感を示している。
　商品カテゴリーは大きく分けてインテリア・家具、寝具、エクステリア・ＤＩＹ、ベビー・キッズ用品、家電・ペット用品、アウトドアと幅広く、約２７００点の商品を取り扱っている。その95％はオリジナルの家具・インテリアだという。
　ＥＣサイトの特徴について同社は①買い求め安く、業界最安値に挑戦②実店舗以上に商品の情報説明を用意③平日正午までの注文の当日出荷に対応④送料無料（北海道・沖縄・離島を除く）や１年保証などサービスの充実―を挙げる。
　「本店」のフロントページにはソファ、ダイニング、ベッド、オフィスチェアなど各ジャンルのおすすめ商品が５点ずつ並ぶ。下段の「ＮＥＷ　ＩＴＥＭ」には、32～65インチ対応テレビスタンド▽ダイニングこたつ６人掛け８点セット▽天然木ダイニングチェア▽大理石調テーブルセット―などが掲載され、いずれも送料無料、商品によっては搬入設置費無料となっている（10月４日現在）。
　商品を選んでクリックすると、その商品の詳細ページに飛び、説明文と多数の写真を見ることができる。家具インテリアを中心に膨大な情報量が蓄積されていることが分かる。
　同社は１９６４年に婚礼家具メーカー・九州工芸として設立された。その後、91年からは小売り、オーダー家具を中心に事業を展開。ネット販売「タンスのゲン」は２００２年にスタート。家具・寝具のほか家電などの販売を本格化してきた。
　昨年度（20年８月～21年７月）売上高２２７億円を達成した。取扱品目を拡大し、特に季節商品やリモートワークに合わせた生活スタイルの商品を展開したことが好調の要因の一つという。
　またコロナ禍の影響も大きく、外出を控える傾向がネット通販への需要につながった。特にテレワークの普及で自宅利用が増えているオフィスチェア、ゲーミングチェアが伸びているほか「おうち時間」が増えたことでリビング家具など全般的に購入が増えた。
　現在は冬季に向けて、同社の定番人気商品の羽毛布団や加湿器・ヒーターなどの季節商材に注力しているという。
　◆次回は「タンスのゲンＥＣサイト成長の秘密」