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マレーシア国際家具見本市特集 その6 ファニチャー・デザイン・コンペティション 世界飛躍の舞台に 若手デザイナーが活躍

ティモシーさん(右から3番目)と家族
OASIS FURNITURE INDUSTRIES

 MIFFのセレモニーのクライマックスとなるのが、同見本市3日目に開催される表彰式「プライズ・プレゼンテーション・セレモニー」。学生たちが応募した作品や展示製品のデザイン、ブースのプレゼンテーション力などを海外から招いた編集者やデザイナーらが審査している。
 マレーシアの若手デザイナーを育成するために2010年から始まったファニチャー・デザイン・コンペティション(FDC)。自由で新鮮な発想でデザインされた、才能の原石のような作品が毎年集まっている。日本から参加した審査員も、その発想の豊かさに驚きの声を上げたほど、若手デザイナーたちの新鮮な作品が集まる。
 19年は、インターネットが普及した環境で育ったミレニアル(新世紀)世代に焦点を絞った「ミレニアル・ワークスペース・ファニチャー」をテーマに作品の募集が行われ、最高賞にテイラーズ大学で建築・インテリアを学んでいるティモシー・ロング・チャンジーさん(21)の作品「HACXSTÅ(ハクスタ)」が選ばれた。パーテーションでありながら、ワークスペースにシームレスなプライベート空間をつくり出すことができる。ボード(盤)上にコマやカードを置いて遊ぶ「ボードゲームからインスピレーションを得た」(ティモシーさん)という。
 直方体の見取り図のようなピースは、植物のガラス容器や物置としても使える。FDCの審査委員長でマレーシアの芸術・デザイン大学「ザ・ワンアカデミー」のエリック・リオン教授は「ユニークで多目的に使え、機能的であるとともに、商業ベースへの乗せやすさも忘れていない」と評価している。
 2020年、第11回目を迎えるFDCは「KIDS WONDERLAND(キッズ・ワンダーランド)」をテーマに作品の募集が行われている。ベッドルーム、遊び部屋、勉強部屋、公共スペースの家具、室内や屋外のテーブル&チェアセットなど、4歳から10歳までの子どもたちをターゲットにした、想像力豊かな作品を募集している。
 家具のデザインと品質を評価するファニチャー・エクセレンス賞のプラチナ賞を受賞したのはKIAN SWEE SENG INDUSTRIES(KSS)。ムアーで2000年に設立された同社は、ミッドセンチュリー・デザインを意識して家具を作っている。
 受賞したのはスカンジナビアンスタイルのソファ&デイベッド「Sarah」。デザインしたマレーシア科学大学の学生、Sarah Moiさんの名前からきている。KSSはブースのデザインも際立っていた。「スタッフの総力を結集して住環境を再現し、小スペースに合わせた家具を提案した」という。
 エクセレンス賞のオフィス部門は、OASIS FURNITURE INDUSTRIESが上位賞を独占。審査員特別賞を受賞したBSL Furnitureは、2017年ファニチャー・デザイン・コンペティション最高賞を受賞したビクトリア・パメラさんデザインの機能的なブレクファスト・テーブルセットが評価された。
 マレーシア最大の家具産地であるジョホール州ムアーを拠点にしているJOHANN & JOANN CONCEPTは、ひと目で立ち寄りたくなるようなブースのデザインで、ベストプレゼンテーション賞の最高賞を受賞した。
 ブースをデザインしたマネージング・ディレクターのクア・ケン・ロングさんは「600を超える出展者の中で、いかに来場者が3秒でも立ち止まってもらえるかを考えた」と話した。

ソファ&デイベッド「Sarah」
FDC最高賞を受賞したHACXSTÅ

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