家具新聞社が主催する「ワールドインテリアウィーク（ＷＩＷ）in　春日部」が５月31日から６月４日まで、埼玉県春日部市の匠大塚春日部本店を会場に開催される。テーマは「高級家具と和のインテリアの出会い」。和洋の高級家具と、日本の匠の技術で作られたインテリアの名作がコラボレーション展示される。本展示会は、インテリアデザインの振興を目的とした世界的なイベント「ワールドインテリアウィーク２０１７」の参加型自主イベントとして開催される。会場では、和硝子（がらす）や盆栽など「和」を意識したインテリアが高級家具と共に展示され、来場者に「和を意識したすてきな暮らし」を提案する。家具・インテリア業界関係者にとって見逃せない５日間となる。入場無料。

高級家具と和のインテリアが競演

　「ＷＩＷ　in　春日部」は埼玉新聞社が共催、春日部市が後援、匠大塚が協賛する。日本最大級の家具専門店、匠大塚春日部本店の１階から４階の各フロア内を会場に、展示、講演、家具製作・木工実演会などが開かれる。出展社・団体は家具・インテリア、伝統工芸の分野から教育機関、地元春日部の名産品店など25社。国内外から厳選された高級家具と、匠の技術で作られた和のインテリアが競演するユニークな展示が設置される。
　和のインテリアは日本各地から集められた。主な展示として、「和硝子屋」（京都市）は、着物・帯を２枚のガラスの中に入れて焼いた「和硝子」を出品する。食卓で使用できる皿から、２㍍近い作品まで約80点を展示。名産として知られる弥富金魚を扱う「丸文観賞魚園」（愛知県飛島村）の協力で、金魚が泳ぐ水槽内に和硝子を入れた展示も行われる。日本でただ一人の和硝子作家の横田満康氏は「日本の伝統美である着物の素晴らしさを再発見してほしい」と話している。
　埼玉県発の盆栽は、今や世界中に愛好者がいるアート作品。「大宮盆栽」の名品約20点が、高級家具と共に展示される。１８６５（慶応元）年創業以来、「水府提燈」の伝統を守り続ける「鈴木茂兵衛商店」（茨城県水戸市）は、現代の暮らしと調和する提燈（ちょうちん）を提案する。籐・ラタン家具を製造する「ワイ・エム・ケー長岡」（新潟県長岡市）は、ラタン素材のベッド、車椅子など高齢化社会に対応した展示を行う。何十種類もの木の木目や色を生かしながら、１枚の絵を完成させる「組み木絵」の作家・中村道雄氏（東京都日の出町）の作品も展示される。
　そのほかの展示は、ウッドデザイン賞、ものつくり大学（埼玉県行田市）など。
　家具・インテリア業界関係者に向けた講演会も開かれる。６月３日午後２時から、町田ひろ子アカデミー代表の町田ひろ子氏が「インテリアコーディネーターが勧める和の部屋作り」をテーマに講演する。同日午後０時45分からはイトーキによる「学習机のコンセプト」、同午後３時30分からはダニエルによる「いい家具の使い方」が講演される。
　松創（広島県府中市）による箱組実演、森繁（香川県高松市）による漆塗り実演、浜本工芸（広島市）による張り実演も予定されている。

イベント概要

　１階メーン展示ブースの構成などは日本インテリアコーディネーター協会（ｉｃｏｎ）のメンバーが手掛ける。また１階には地元春日部のお茶や菓子などを販売する特産品コーナーも設置される。会場を提供する匠大塚は「インテリア、デザインのさまざまな業種が集まる今回のイベントを楽しみにしている。春日部本店の家具とともに匠の精神を感じてもらえればと思う」と話している。
会期　５月31日（水）～６月４日（日）午前10時30分～午後６時30分
会場　匠大塚春日部本店（東武伊勢崎線・野田線春日部駅東口徒歩７分）入場無料
　詳細は家具新聞社ＨＰ（http://www.kagunews.net）、匠大塚ＨＰ（https://www.takumi-otsuka.jp）。

WIWとは　IFI（国際インテリアアーキテクト／デザイナー団体連合）がインテリアデザインの振興を目的に、毎年5月最終土曜日を中心に世界各地で各種イベントを開催する。日本では、公益社団法人日本インテリアデザイナー協会(JID)と公益財団法人日本デザイン振興会(JDP)が中心となり、2016年５月に「World　Interiors　Week　in　JAPAN」を初開催した。東京ミッドタウンのデザインハブを主会場とし、各地で自主参加型イベントなどが開かれ、家具新聞社は特別公認イベントとして横浜市で「横浜で、チャールズ・イームズを想う」と題した展示会、講演会を主催した。