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ニッカジャパン タイで築いた信頼、今も ゴム材利用のパイオニア

故プミポン国王から授与された勲章を来日したトラン県の知事から渡される森一郎氏

 ニッカジャパン(愛知県一宮市、森あけみ社長)は、家具製品のOEM(相手先ブランド供給)や家具パーツなどをメーカーから受注生産している。小ロット・多品種から量産まで対応、注文から納品まで短期間で納めることができるのは、タイの合弁工場との磐石なパートナーシップがあるからだ。
「タイの合弁工場では厳しい品質基準と決められた納期に対応し、取引先から高評価を得ている」という。また、コンテナに複数の取引先の部材を混載出荷し、小口配送も対応しているため、小ロットの注文も対応できる。
 同社の創業の歴史は、世界初と言われるラバーウッド家具の開発から始まる。今でさえ、ラバーウッドはタイやマレーシアなどの家具用材として欠かせない。しかし、同社の創業者である森一郎氏がタイに旅行した1966年当時、ゴム液の採取が終わったラバーウッドは、利用されずに焼却されていた。森氏はその材質に着目して防虫・防菌加工の技術開発に全力を傾け、家具用材としての利用に道を開いた。
 タイで生産体制を構築して現在までそのパートナーシップが続いているのは、森氏が現地で築き上げた深い信頼関係があるからだ。その功績が認められ、故プミポン国王から、民間人では珍しい王冠章が贈られた。森氏は、タイで設立した合弁工場の経営から価格決定権まで現地に一任した。こうした手法を日経ビジネスが「異色の信頼経営」として取り上げたこともある。
 今では、椅子やテーブル、ベッド、雑貨、子ども用家具まで、同社がメーカーから受注する製品は多岐にわたっている。ゴム園の中に工場を建てた当時は「ゴムの木が家具なんかに使えるはずがない。今にきっと夜逃げするから現金以外ではモノを売るな」と現地住民から冷ややかな目を向けられたという。高度経済成長時代にラバーウッド家具と東南アジアでの生産体制を構築した同社には、そのパイオニア精神が現在も息づいている。

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