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マレーシア国際家具見本市特集 その3 日本からも熱いエール

利根川 弘衞氏
永井 英之氏

マレーシア独自製品の開発に期待
東京インテリア家具会長 利根川 弘衞氏


 MIFFが始まる以前、マレーシアの家具メーカーの多くは、シンガポールの見本市に出展していたことを覚えています。それから独自でMIFFを立ち上げ、来年は25周年を迎えられるということで、心よりお祝いを申し上げます。私も第1回の開催からお世話になり、MIFFとは長いお付き合いが続いています。
 マレーシアは豊かな国土と木材資源に恵まれているところです。マレーシアとの25年以上の関わりの中で感じるのは、近年のデザイナーの成長と製造ノウハウが高度になっていることです。
 中国からは、米国との貿易戦争に打撃を受けているメーカーから悲鳴の声が聞こえ、マレーシアに拠点を移すところも出てきています。マレーシアは、日本をはじめ、米国や中東などさまざまな国と取引をしており、アジアのハブとしての役割はますます大きくなっているといえるでしょう。
 製品開発において最も大切なのはデザイン、2番目はやはり製品の色合いです。色が悪いと、お客さまには選ばれません。いいデザイン、いい色合いで品質が高く、さらに機能性が高いこと、この4原則をしっかりと守り、日本の住空間に合わせた製品に期待しています。
 今年のMIFFは、従来のPWTCに加えて、MITECの立派な会場が加わり、さらに規模を拡大して開催されたことをうれしく思います。メーカーには、ぜひマレーシア独自の製品開発に力を入れてほしいと思います。



多岐にわたる国とのビジネスに魅力
フランスベッド 商品開発部 開発・デザイン課 デザインチーム課長 永井 英之氏


 MIFFが来年、25周年を迎えることを心よりお祝い申し上げます。フランスベッドは、海外輸出事業の拡大の一環として2016年、国内6社による共同出展ブースの1社として初めてMIFFに出展した後、2年連続で単独出展しました。
 当時、出展していたタイでは、欧米からの来場者が目立っていたのですが、MIFFは中東やアフリカなど、海外からの来場者が多岐にわたり、単にデザインを見るだけではなく、購買意欲を持って訪れるバイヤーが非常に多いことが大きな特徴として挙げられます。
 最初は何が売れるか見当が付かず手探り状態でしたが、単独出展にあたって私たちは、製品のサイズ感を海外向けにそろえ、常夏の気候に合わせて、接触冷感素材を使った抱き枕などを商材として持ち込んだところ、好評を博して実績が上がりました。
 チェアマンのダトゥ・タンさんをはじめ、皆さんの家具に関する意識は非常に高く、雰囲気を盛り上げようと、スタッフたちが熱心に取り組んでいることも、他のアジアの見本市とは大きく違うところです。
 今年は新会場のMITECに出展しました。まだ交通インフラは整備の途上にありますが、いずれ鉄道の駅もできると聞いています。MITECの広い会場をうまく活用すれば、さらに見応えのある、25周年にふさわしい見本市になるはずです。



若者たちの起業のバックアップを
関家具常務取締役 猪名富 大助氏


 MIFFが来年、25周年を迎えることを心よりお祝い申し上げます。
 私たちは、世界のさまざまな国を回って比較して製品を見ることも重要だと考えています。他のアジアの見本市と比較して、MIFFならではのメリットとして挙げられるのは、ここにしか出展しないメーカーが多いことです。
 マレーシア家具の品質、デザインはコンパクトにまとまっていて、点数をつけるとすれば、平均点をクリアするものが多いのではないでしょうか。ただ、露骨なデッドコピーなどは少ない半面、突出したものはなかなか出てこない感じがします。
 私が最初にMIFFを訪ねた時と比べると、出展メーカーの入れ替わりは感じますが、米国向けの製品は相変わらず多いと思います。今は米国の中国からの輸出関税の問題で、マレーシアにとっては大きなチャンスではないかと思っています。
 マレーシアで新たに起業してメーカーを立ち上げる若者が出展しやすいようにMIFFがバックアップしていただければ、新しいイノベーションが起きるのではないかと思います。期待しています。



スタッフと「おもてなし」に高評価
アジア家具フォーラム代表理事 阿部野 育三氏


 まずMIFFが25周年を迎えることに心よりおめでとうございますとお伝えしたいと思います。これまでMIFFの開催に携わってきたことをあらためて誇りに思います。
 MIFFはこの四半世紀の間にアジアで欠かせない展示会へと進歩を遂げました。当初は低価格の製品をチェックする場という位置付けでしたが、製品と出展者の充実を図り、今ではデザイントレンドを発信する場としても機能しています。
 MIFF成功の裏には日本のおもてなしの精神を垣間見る気がします。会場の隅々からバイヤーズナイトでの出迎えに至るまで細やかな心配りがなされています。創始者のダトゥ・タン氏やUBMのガンディー氏をはじめ、MIFFスタッフのレベルは非常に高く、積極的なビジネスサポートも日本人バイヤーからの高評価につながっています。
 多くの日本人は今後のMIFFにも大きな期待を寄せています。MIFFがこれからも日本人を魅了する展示会であることを確信しています。

猪名富 大助氏
阿部野 育三氏

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